――山口ヒロトという役に対して、最初はどんな印象を持ちましたか?

誰もが持っている心の「穴」に落ちてしまい、苦しんでいる……という印象でした。彼はすごく素直なんですよ。素直すぎるがゆえにつまずいて、なかなか立ち直れなくなってしまった。特別な誰かというよりは、誰もが持っている弱さを持った、本当に良い子なんだなと感じました。

 

――普段の華やかなパフォーマンスとは対照的に、『売れないミュージシャン』という役どころならではのアプローチや、あえて意識した工夫などはありますか?

普段の自分については特に考えなかったのですが、劇中での“ギャップ”は意識しました。学生時代のうまくいっていた時の歌と、盗作疑惑(パクリだと言われている)曲を披露している時の歌。彼はどんな気持ちで歌っているんだろう……というコントラストは、監督とも相談しながらかなり考えました。

 

――ミュージシャン役として路上ライブのシーンもありましたが、演じてみていかがでしたか?

楽しかったですね。劇中でヒロトが色々あって立ち直り、再びスタートを切るという路上ライブのシーンがあるのですが、そこを撮った時は「路上ライブってすごいな」と改めて感じました。

スルーされたら悲しいけれど、見られていると思うと緊張する……という独特のメンタルが必要なんです。ヒロトもメジャーデビューを経験してから再び原点の路上に戻るという設定だったので、その緊張感はリアルに感じましたし、僕自身も路上ライブをやってみたくなりました。

 

映画正直不動産の岩﨑大昇